日本オートキャンプ協会事務局・長堺廣明さんに学ぶキャンプの基本


キャンプの基本は「来たときよりも美しく」

キャンプは、撤収するときに現状回復できることが、最低限のマナー。理想的には『来たときよりも美しく』を心がけましょう

まずはキャンプ場のルールに従うことが最優先。今回のマナーもあくまで一例であり、統一的なものがあるわけではなりません。他人に『これをしてはいけない』と強要してしまうことで、せっかく自由な時間を過ごせるキャンプが硬苦しいものなってしまいます。ただ、他人の気分を害する行為をしないように、まずは自分が率先して模範的なキャンパーになることを目指しましょう。


キャンプで特に気をつけるべき「音」の問題

キャンプ場でのトラブルの原因ナンバー1が音の問題。気をつけている人でも知らず知らずのうちに迷惑をかけていることもあるので、ベテランと自負するキャンパーもあらためて確認しておきたい項目です。

消灯は夜10時が一般的

一般的な消灯時間のめやすは、夜10時。決まりのあるキャンプ場が多いので、チェックイン時や決まりの書かれた看板で事前に確認します。うるさくしているグループに直接言うのは、トラブルのもと。管理人さんに相談してみましょう。

音楽を聞きたくない人もいる

フェスからキャンプに入った人は、音楽をかけるのが普通であったりしますが、ここはキャンパーによって認識の幅があるのは事実です。ラジオ体操が問題になっていることもあるので、世代は関係ないかもしれません。音楽がダメというわけではないのですが、自然の音を聞きたいキャンパーで不快に感じる人がいるのも事実。なるべくイヤホンを使うなどの配慮が必要です。

クルマの音も注意

車を使う買い出しは、皆が寝る前の夕方までに済ませます。緊急時以外は、夜10時以降の運転やアイドリングは避けましょう。ロックしたときのピコピコするアラート音も、夜は注意。意外と夜に車のドアを開け締めする音を気にする人もいます。多くの人が寝ている夜間、早朝の物音については、気をつける意識を持ちましょう。

早朝からの子どもの騒ぎ声

キャンプに来た子どもは楽しさのあまり、疲れ果てて早く寝て、次の日は早朝から全力で騒いでしまうことも。まだ寝る人がいる時間帯は大人が見守ることを忘れないように。夜と同様に朝も○○時までは静かにしましょう、というルールがあるキャンプ場もあります。最近はファミリーキャンパー限定のキャンプ場も増えており、子どもに理解ある人が多いそちらのキャンプ場を使う人も増えています。


トラブルにつながるキャンプの「火」

強風のときは焚き火はしない

火の粉が隣のテントに飛んで、トラブルになる事例もあります。キャンプの醍醐味の一つは焚き火でもありますが、天気予報で当日の風の強さを確認することも忘れないように。

火から目を離さない

山間部のキャンプサイトでは、秋冬の乾燥するときには、山火事になる恐れもあり、取り扱いは慎重に。火には必ず誰かが付いていること。

芝生や土の地面の上では難燃マットを敷く

現状回復が基本のキャンプ。焚き火台を使っていても、下部の熱で芝生が焦げる事例が各地で頻発しています。キャンプ場のダメージはないように、専用の難燃のシートなどを使用すると跡が残りません。

灰の処理はキャンプ場の指示に従う

多くのキャンプ場では灰捨て場があります。ない場合には、火消し壷を用意するか、水につけて完全に消火したのを確認して持って帰ります。炭は自然に戻らないので、その辺に捨てないようにします。

キャンプ場の木を勝手に切らない

キャンプ場内の生木を倒して燃やそうとするという報告も。焚き火を楽しむ際は売店で薪を売っているかどうかの確認をするとよいでしょう。なければ道中の専門店やホームセンターで購入します。


キャンプも苦労する「ごみ」問題

洗い場に出たゴミは持ち帰る

こちらも基本的な考え方は、現状回復。自分で排水溝に流したごみは、自分で持って帰ります。キャンプはホテルのようなサービスではなく、『汚しても片付けてくれる』という考えは違います。準備から片付けまですべて自分で完結するのが、キャンプのおもしろさでもあります。

ゴミの分別に注意

地域によって、ゴミの分別の仕方はさまざま。チェックインのときに、きちんと確認し、キャンプ場の指示に従います。

キャンプ場で処理できないごみは、自宅に持って帰る

道中のコンビニやサービスエリアで捨てることで、キャンパー皆がマナーが悪いと思われてしまいます。キャンプ場で処理できないゴミは、自宅まで持って帰りましょう。近年、キャンプ場に布団を捨てたり、BBQの一式をそのまま置いていく人もいますが、問題外です。


その他の迷惑行為

キャンプ場も迷惑しています

「週末、雨ならキャンセルするか」その軽い判断も、キャンプ場にとっては困りごと。またキャンセル料の支払いをしない人が、キャンプ場を困らせています。

悪天候で無い限り、キャンセルは避ける

台風や集中豪雨、洪水などの悪天候の予報が出ていない限りは、キャンセルは避けます。確かに、テントがぐちょぐちょになるので、避けたい人が多いのも事実。ただ、雨でも楽しめるのが、アウトドアの魅力でもあります。キャンプ場も経営に余裕のあるところは少ないもの。キャンセルする場合にも。規定にキャンセル料がある場合には、支払いを忘れずに。

手荷物は整理して、人の目につかないところに

最近は高額なギアも増え、盗難にあう事例も発生。寝るときには、そのまま外に置いておかず、テントや車内に置くのが理想です。

「SNS」投稿前に考えよう

TwitterやInstagramなど、積極的にキャンプの発信をしたくなるのは、どのキャンパーも同じ。しかし、その投稿、発信する前にちょっと考えてみてください。

女子キャンパーのつぶやきに注意

SNSでキャンプの様子を中継したくなる気持ちはわかりますが、特に女性のソロの場合は「いまここにいる」と分かる投稿は避けましょう。

隣へのあいさつも大事

キャンプサイトについたら、隣のサイトの利用者に「こんにちは」「よろしくお願いします」と一言かけるだけで、ほかの人が来たときに「隣の人に知らない人が来ていた」などと異変を報告してもらえることもあります。

勝手に他人のサイトを撮影することは避ける

最近はYouTubeの撮影をするキャンパーも増え、一部のキャンプ場では、他サイトの撮影を禁止しているところもあります。不快に思われないように、勝手に撮影することは避けましょう。


保存版・知っておきたいキャンプマナー大全【日本オートキャンプ協会監修】

https://hinata.me/article/1347142483011915476